洗心風景

 美しい風景や情景にふれると、心が洗われます。 
 「洗心風景」に出会えることは、「歩禅」の効用の一つではないかと思います。


 カワセミ

  
 
    漢字で「翡翠」。この字はそのまま宝石の「ヒスイ」という文字にもなります。
    なんと美しい鳥でしょう。
    頭から水面めがけて飛び込む魚の捕獲も、見事というほかありません。
    英語で、“King Fisher” というそうですが、これまたぴったりの名称です。
    私の住む市の「市の鳥」はカワセミです。市内を流れる高麗川に生息しているということですが、警戒心が強いせいか、一度も見たことがありません。
    皮肉なことに、この写真は、東京の都立公園で撮影することができました。多くのカメラファンが望遠レンズを向けても、おどろく様子もなく、池の魚をねらってダイビングしています。
    私のカメラは、普通のコンパクト・デジタルカメラ。一眼レフではないのですが、ズームを最大にして、シャッターを押しまくると、何枚かは、うまくピントが合ってくれました。
    2枚の写真は、同じ時に撮ったもので、カワセミは同一の個体です。
    2枚並べて、“Cool Head, Warm Heart” と名づけました。


 富士山

 

 

    富士山の雄大な姿は、いつ見ても、心洗われるものがあります。
    写真は、出張の折、東海道新幹線の往路と復路の車窓から撮影した2枚。
    車内で、富士山に向かって合掌しているおばあさんを見かけたことがありますが、おばあさんならずとも、確かに思わず手を合わせたくなる崇高さを持つ山ですね。
    でも、最近は、この山がドカンと噴火したらどんなことになるのだろうと、心配してしまいます。
    富士よ、どうか永遠に穏やかであれ。


 彦根城

     

    国宝に指定されている彦根城ですが、私が惹かれるのは、「玄宮園」と名付けられた庭園です。池のほとりの茅葺の建物(臨池閣)と、庭園から仰ぎ見る天守閣の構図は、まさに日本の美というにふさわしい光景ではないでしょうか。
    天守閣が戦(いくさ)の象徴であるとすれば、茅葺の建物は、平穏な日常の象徴であり、戦争と平和、緊張とくつろぎが同居する光景ともいえます。
    どこかに侍が歩いているのではと思わせる時代劇の一コマのような情景で、見るたびに非日常にいざなってくれるお気に入りの一枚です。
    もちろん、彦根へいけば、この光景は現実なのですが・・・^^;)



 曼珠沙華

    

    

    

     彼岸花(ヒガンバナ)とも呼ばれる曼珠沙華(マンジュシャゲ)。一つ一つの花は、寂しげですが、群生すると、まさに「太陽の赤」、燃えるようです。 
    写真は、いずれも埼玉県日高市の巾着田(きんちゃくだ)で撮影しました。数年前まで、「日本最大級の群生地」とか「百万本の曼珠沙華」と謳っていましたが、正確に調べたところ500万本はあるということがわかり、今では正式に「五百万本の曼珠沙華群生地」と称しています。
    高麗川の流れを背景に群生する真っ赤な花の絨毯は圧巻です。


          

      曼珠沙華を見た同じ巾着田の田んぼには、稲刈りを終えた稲束が干してありました。そして、保育園児たちが作った、それはかわいい案山子(カカシ)たちが立っていました。
      



 幻の滝(古滝)

   


    埼玉県にある超マイナーな滝。正式名称は、古滝(ふるたき)ですが、ハイカーの間では、否、地元でも、「幻の滝」という形容付きで呼ばれます。
    理由の一つは、雨が降った後にだけできる時期限定の気まぐれな滝だからです。晴天の続く時期には、深くえぐれた崖しかありません。
    そして、もう一つの理由は、地図にも観光案内にも載っていないからです。その訳は、上記のように常にみられる滝ではないことに加えて、この滝が民有林の中にあるからだと思われます。
    観光案内にあるハイキングコースから、少し脇道(林道)に入ります。現地の分岐点(日和田山(=ひわださん)と高指山(=たかざすやま)の間にあります)には、木の切り株に手書きの案内表示があって、10分近くでたどり着けるのですが、最後は林道から下る斜面ルートなので、訪れる人は趣味人だけの、まさに幻の滝。
    南向きの場所のせいか、木漏れ日が指して明るく、神秘的ではありませんが、独り静寂を味わえる冒険スポットです。
    右の写真は、滝から数分で行ける林道沿いの獅子岩という絶景ポイント。ちなみに、地平線上に見える小高い山は、多峰主山(=とおのすやま)



 水前寺公園

  

  熊本市を代表する水前寺公園こと「水前寺成趣園」の古今伝授の間。大正元年に京都御所から移築されたとのことですが、ここにあってこそと思えるほど、風景に溶け込んでいます。現代建築に比べて、茅葺の家の何と落ち着いた風格でしょうか。〔熊本地震からの復興をお祈り申し上げます。〕


 知恩院山門友禅苑

  

  秋空に、瓦屋根はとても似合います。スポットの風景ではあっても、寺院は京都ならではの心落ち着く場所です。
  右は、隣接の庭園「友禅苑」。アオサギがまるで庭園彫刻のように、たたずんでいました。じっと動かず遠くを眺めやる姿勢は、何かを思索しているようで哲学者の趣です。私の大好きな鳥です。


 大谷平和観音(景観公園)

        

  岩山の中からお姿を現されたかのように、大谷石の岩山の前面に刻まれた壮大な平和観音。
  第二次世界大戦の犠牲者を敵味方を問わず慰霊し平和を祈願するために、大谷寺(おおやじ)の磨崖仏(弘法大師が彫ったと伝えられる千手観音像=重文)の前立て像として、採石場の跡地でもあるこの地に建立されました。
  岩山と一体の巨大な自然石の観音様であるだけに、仰ぎ見るだけで、争いごとに明け暮れしている人間の小ささを感じさせられます。合掌
  (宇都宮市)

 



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 心洗われるお薦めの本:

   月野一匠著 今を生きる仏教―観音様の108話』 パレードブックス 2015年10月発売

           

       生きとし生けるものへの優しさ。人生の教えと導き。
     仏教徒でよかったと思える現代版「観音経」108の物語。
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